ヤシの木に登る人ーイル・デ・パン島にて

ニューカレドニアの続き。

イル・デ・パン島で宿泊したホテルの敷地には立派な椰子の木が生い茂っている。およそ7メートルから10メートル。見上げるとけっこうヤシの実がなっている。「あれが落ちてきたら相当痛いんだろうね」「場合によっては怪我じゃすまないこともあるらしいよ」と夫婦の会話が続く。

散歩しているときにふと見上げると行きの椰子の木に登っている人がいる。どうやら遊びで登っているのではなく仕事をしているらしい。ハシゴを使わず、ベルトのようなものを幹に巻きつけて腕力で登っている。よく見ると行きのバスで一緒だった血管の浮き出たたくましい腕をもっていたその人であった。道理でたくましい腕になるわけである。タンクトップ姿でマッチョな雰囲気全開である。バカンスにきた風情ではないし、何をしにきた人だろう?と思っていたのだ。ちょっと元気のなくなったヤシの葉を裁断し、育ちそうなヤシの実を前もって剪定する。葉はバサリバサリと下に落としていく。下には現地のメラネシア人が整理のためにつかえている。

朝早くから仕事をするらしく、朝の9時過ぎにはもう汗だくでお疲れの様子。たたみ2畳分くらいの面積に伐採された葉が山積みになっている。フランス語圏じゃなければ、1日に何本くらいやるのか、年に何度くらいやっているのか、世界を旅してヤシの木を刈っているのか?などなど聞いてみたかったのだが。

おそらくこのへんにきている欧米人フランス語圏の人であろうということでなんとなくあきらめる。次回にはそれくらい気軽にフランス語で聞けるようになっているといいのだけど。

というわけでメンテナンスの行き届いたヤシの林は風のそよぐ快適な景観の庭となっている。通り道をメインにメンテナンスしているのであって、やっぱり危ないんだな、とおもう。この快適さもヤシの実が上から落ちてくる危険と隣り合わせだったら半減してしまう。ピッシンヌナチュレルまで歩いて行くときには流れ着いたヤシの実がそこかしこで芽を出して、大きくなっていたけれどもそういうのは新陳代謝がそのままになっているので、枯れかけた葉もそのままであまり美しくない。まあそれはそれで南国の野生の雄々しさでありますね。