川辺のバンコク滞在 ~チャオプラヤー川のほとりで~

3月の飛び石連休をつなげて4連休にしてバンコクへ。南国の暑さを感じながら川辺で風に吹かれようとチャオプラヤー川のほとりの宿にしたのでした。ジェットアジアエアウェイズでおよそ6時間のフライト。現地時刻の夕方にスワンナプーム国際空港に到着したのだった。

ホテルには近くの駅まで地下鉄でいき、そこから舟に乗る。ホテルの往復をしている定期便があるのだ。川辺周辺のアクセスは舟のほうが便利。ちょうど船着場についたときは夕暮れだった。3月とはいえ、まだ寒かった日本の気候とは違いかなり蒸し暑い。

舟に乗り込んでしばらくするとおしぼりとミネラルウォーターを出してくれる。おしぼりにはレモングラスの香り。乾いた体にミネラルウォーターが心地良く染みこんでいく。舟が走り始めると涼しい風が吹き抜けて心地いい。暑さを吹き飛ばしてくれるちょうどよい風。

今回は川辺に滞在したのでどこにでかけるにも最初の移動はまず舟で、となる。バンコクの印象はすっかり水上都市になった。

チャオプラヤー川を個人タクシーのような小さめの舟がしぶきをあげて走っている。舟の形状は細長い。手こぎボートを2曹半くらいつないだくらいの長さで、先端に行くに従って鋭く細くなっている。いちばん後ろにエンジンとスクリューがついており、スクリューはエンジンから突き出た長い棒の先についている。およそ2mくらいある棒の先にチョンとついている。

運転の途中で水面からスクリューをあげるシーンを幾度となく目にする。見た目には申し訳程度についている小型扇風機のプロペラのようなスクリュー、直径20センチにも満たないようなかわいいサイズ。でも水に潜ると威力を発揮して水柱を上げながら舟を加速してくれるなかなか頼もしいやつなのだ。

モーターボートやクルーザーとは違うタイプのエンジン付きボートとでもいえばいいのだろうか、日本の渡し舟のようにも見える。ちょうど手漕ぎの艪の先にスクリューがついたようなことになっているのだ。川が空いているときにはここぞとばかりに飛ばしている。

エンジンの形は舟によって違っている。舟の形はどれもだいたい同じなのに。ひょっとしてこれは自動車のエンジンをはずして、シャフトの先にスクリューをつけた代物なんだろうか?写真を拡大してみると、右のエンジンは「ISUZU」とある。いすゞはボートのエンジンつくってるんだろうか。

立派なエンジンを積んでいる舟はときおり爆音と水しぶきを上げながら勢いよく走っていく。さしずめ「オレッちのボートは速いよ、なんといってもこのエンジンは最高さ」といわんばかりである。こういうノリはどこでも変わらないもので、ほのぼのした気持ちになる。

几帳面なのかなんだか舟の数が多いにもかかわらず、ぶつからずにスルスルと舟がすれ違っていく。船着場のかわし方なんてそれは見事なものである。船長さんがしっかりとしているのか、交通ルールがじつはあるのか見ているだけではわからない。なんとなく運転になれていて、適当な感覚で避けているようにもみえる。

川の水は濁っていてゆったりと流れている。去年の洪水のニュースの時にモーターボートを並べて河口に向けてスクリューをまわして流れを加速する、というのを聞いた時に目が点になった。でもこのゆっくりした川の流れを目の前で見たら納得してしまった。川の水はゆっくり動いていて流れているのかわからないくらい。まるで池のようにみえなくもない。なにはともあれ、のんびりとしている。

行き交う船の種類は多い。個人タクシーボート、ホテルやレストランの数十人乗れるモーターボート、さらにフェリーのように数百人のれるような大型の舟も行き来している。いくら船の文化が発達しているとはいえ、川に巨大タンカーが停留しているのは新鮮な風景だった。

そうか、これだけ船が身近だったら火力発電所を船に乗せてもおかしくないなあ、と思う。(震災のあと、日本政府にタイ政府が火力発電所を貸してくれたのだ。船に乗せて。)現地2泊はちょっと短いなあと後ろ髪を引かれながら、バンコクをあとにしたのだった。